【のだめカンタービレ②】音楽家の恋愛心理がここでリアルに描かれています?〜音楽の意志
私にとっての「のだめ」は、上野樹里さんになっています。
マンガよりドラマを先に見たので、飛び込んだ上野樹里さんが強烈で、猛烈に惹き込まれました。
ですからここで言う「のだめ」は、
上野樹里さんの演じたのだめとして書いていますのでご了承ください。
のだめという作品は、音楽家の
恋愛心理があまりにもリアル
に書かれているから驚きです。
物語中、ソンルイという天才ピアニストの技術に圧倒されます。
(ソンルイ自身は、表現力の浅さを指摘されていて本人は苦悩しているし、のだめの音楽性を認めていると思われる場面があります。)
のだめは、愛する千秋の指揮で、大舞台でのピアノの共演を夢描いていました。
しかし、カーネギーホールでの演奏会で、千秋は師匠の代理を急遽任され、千秋とソンルイの共演となった。
大舞台で二人が共演するのを見て、激しくのだめは嫉妬?します。
狂ったようにソンルイの奏法を真似して練習しまくります。
そして自分のスタイルまで変えてしまおうとします。
演奏前にする山田優さん演じる、ソンルイの髪を書き上げる仕草がとても美しいのです。
髪が短いのに、のだめはそれを真似します。
そうしてから演奏をします。
ちなみのこの動作の上野樹里さんの演技が凄いのです。
子供じみた対抗心、若者の恋ごころ、そして成熟した音楽家の一念が同居している(と私は思った)のです。
当然千秋は、それを見抜きます。
千秋は、ソンルイの真似などするなとのだめに訴えます。
そう言われても、のだめは泣き止みません。
「俺はお前のピアノが好きだ!」
千秋はとても深い意味でそれを言いますが、のだめには伝わらない。
大好きな千秋に認められれば、飛び上がって喜んでしまいそうですが、
「千秋先輩だけが
私のピアノを
好きでもしょうがない。」
と言い放ちます。
これまでの行動は、嫉妬心で千秋にソンルイから自分に向けたいがためではなかったんですね!
もしそうなら、ここで
「世界中のみんなが私のピアノが嫌いでも、千秋先輩が好きならそれでいいんです!」
と言うはずです
この台詞はこの物語の言わんとすることを、真反対になるやもしれないほど、重要な台詞です。
のだめは、はじめは嫉妬心からはじまったのかもしれませんが、
音楽家として、遠く及ばないことに深く悲しんでいたんですね。
それが何かを必死に見つけようとしていたんですね。
もやは千秋が愛してくれていようがいまいがなんてどうでもいいほどの域に、達していたんですね。
「あんたなんかに、私の気持ちはわからない!」
と千秋を突き放したんです。(千秋は本当は分かっている)
そしてまたピアニストとしての野心が湧いた訳でもありません。
ソンルイは、音楽の意志
を聴く事が最大の喜びとは、分かっていても、
技術をいくら高めても超えられないと感じ、のだめを羨み…。
のだめは音楽の意志をそのまま感じ取れているのに、
それが自分で分からないことに苦悩し…。
千秋は当然、それを
乗り越えて来ているので、
今のだめがそこで卵の殻を破ろうとしているのが分かっている…。
この心描写が、千秋がのだめを抱きしめ、振り払われるシーンで描かれているのが凄いと思いました。
音楽家が幸せなのは、
男女の恋心を
こうして上回る
ことが出来ることだと思います。