【のだめカンタービレ⑤】「ペトルーシュカ」で「きょうの料理」を弾いた。こんなことあり得る?その2
コンクールで、のだめちゃんが「きょうの料理」を弾いちゃった話はみんな覚えてますよね!
あんなことが本当に起きうるのか?結果から言うとありえます。
是非前半から読んで頂きたく思います。
【のだめカンタービレ】「ペトルーシュカ」で「きょうの料理」を弾いた。こんなことあり得る?その1
即興演奏には、学理型と憑依型があります。
次はこうしてこうなって、この借用和音を利用して転調してと…とするのが学理型の即興演奏。
心のまま、手が向かうままに、進路に対し作為を一切保たずに弾くのが憑依型の即興演奏です。
のだめは、憑依型?ということで作者さんは描いているのだと想像します。
そうだとして話を進めます。
体験者であれば解ると思いますが、憑依型の演奏は、自分の意志では制御出来なくなります。
しかしもちろん人間には理性があるので、自分がどう見られているのか、どう聴こえているのかを意識して演奏しています。
つまり冷静な理性的な自分が、何者かの意志によって演奏することを任せているような感じです。
しかしあまりにも行き過ぎたり、意図したこととかけ離れすぎたりすると、
反射的に自分に主導権を戻し、その場を取り繕うかのような演奏をします。
つまり直感的、潜在的に弾いていた演奏から、頭脳的、健在的な演奏に切り替えるのです。
どんなにいい気分で弾いていても、それでは曲が終わらないので、そろそろ終わりにしようかなと思い、終止符に向けて構想して演奏をします。
最後は頭でしっかりと、終わらせる瞬間は完全に健在意識で終わりにしています。
実を言うと私は自分の即興演奏を弾いている状態の脳波を測ったことがあります。
曲中一番優位なのは、アルファ波ではなく、シータ派でした。
レム睡眠に見られるまどろみ状態、寝ていると起きている状態の脳波の状態です。
そして曲の最後はシータ波が引っ込み、健在意識の時に一番良く出るベータ波が一番優位になっていました。
のだめはどうだったかと言うと…。
結論から言うと、ああいうことはあり得ます。
覚えていない、ああどうしようという時に、絶体絶命に追い込まれて…。
潜在意識が優位になり、人にどう見られているのかなど飛んでしまい、
この曲はどうあるべきかという、音楽の意志が演奏を持続させます。
のだめの脳の中にあるストックにある楽曲の中、もっとも音楽的に素晴らしいものを奏でようとします。
音楽の意志は、「ペトルーシュカ」に似た「きょうの料理」を変奏曲として継続することを選択します。
しかし観客がドッと笑っている。
のだめ我に返る。
ああどうしよう?
焦って弾こうとする。
練習で覚えている「ペトルーシュカ」を頭でなんとか弾く。
しかしもうダメ~。
潜在意識にバトンタッチ。
「きょうの料理」の変奏曲を弾く…。
以後繰り返し。
ということが起きていたのですね!